skip to primary navigationskip to content
 

Japanese translation of Barak Kushner's The Thought War: Japanese Imperial Propaganda reviewed

last modified Mar 10, 2017 12:07 PM

Thought War Japanese CoverThe Japanese translation of Barak Kushner's The Thought War: Japanese Imperial Propaganda was recently reviewed in Japanese in the Yomiuri, one of Japan's largest newspapers, and the Tokyo Newspaper

Dr Barak Kushner is Reader in Japanese History at the Faculty of Asian & Middle eastern Studies and leads the 5-year ERC project The Dissolution of the Japanese Empire and the Struggle for Legitimacy in Postwar East Asia

The review in Yomiuri reads:

『思想戦 大日本帝国のプロパガンダ』 バラク・クシュナー著

評・奈良岡聰智(政治史学者・京都大教授)

本書は、戦時下に日本が行ったプロパガンダ(宣伝や広報活動)に関する学術書である。一般に、ナチス・ドイツなどに比べ、日本のプロパガンダは拙劣であったと見られることが多い。しかし著者は、日本政府は少なくとも対内的プロパガンダには成功しており、それゆえに長期間大規模な軍事行動を継続できたのだと論じている。

著者が特に強調するのは、日本社会の中に、政府のプロパガンダを積極的に受容・拡大する動きが存在していたことである。民間プロパガンダ会社の活動、中国に派遣された演芸人慰問部隊「わらわし隊」の経験など、本書の考察対象は広い。近年、プロパガンダが国家と社会の相互作用によって生まれるということは通説的理解となっているが、本書はそれを具体的に跡付けることに成功している。

戦時中にプロパガンダに関わった多くの専門家や組織が、終戦後は占領軍に協力し、戦後のメディアや広告業界にも影響力を残したという。日本を戦争に駆り立てた社会構造やメディアのあり方、戦争責任問題について、考えさせられる指摘が多い。井形彬訳。

明石書店 3700円

2017年02月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

The review in the Tokyo Newspaper reads:

思想戦 大日本帝国のプロパガンダ バラク・クシュナー 著

写真 ◆国内外で続いた宣伝効果

[評者]佐藤卓己=京都大教授

もっぱら国内向けに書かれる昭和史本が多い。その視野狭窄(しやきょうさく)を矯正してくれる快著だ。著者はナチ占領下フランスの映画史で卒論を書き、現在はイギリスで東アジア史を講じるアメリカ人研究者である。そのグローバルな視座から、戦時宣伝のリアルが浮上する。

「戦時下日本の対外宣伝は効果が乏しかった」とする常識を評者も疑ってはいなかった。真珠湾攻撃以後の日米戦争に限っていえば、そうかもしれない。だが、それは中国や東南アジアでどう受容されたのか、日本の戦後復興にどれほど寄与したか、と時空を拡大してみると「ナチスを凌(しの)ぐプロパガンダ」の威力が確認できる。そうした宣伝の効果なくして、「十五年間にわたり安定して戦争を支持し続けた」国民意識は理解できない。日本にはヒトラーやムソリーニのような独裁者もいなかったが、独伊で発生した規模の抵抗運動も存在しなかった。

日本国民は「近代アジアのリーダー」という自己PRに積極的に参加し、戦争を主体的に選び取り、その延長上に戦後の経済成長を達成したのだという。戦後も活躍した広告技術者、知識人、芸能人、官僚の歩みを丹念に検証し、「前向き」の戦時宣伝に「成功した失敗」という秀逸な表現を与えている。戦時下でも世論調査は行われており、警察当局も民意の動向を注視していた。東条内閣退陣でも世論の影響は無視できない。だとすれば、一般大衆も「大本営発表に騙(だま)された被害者」として免責されるはずはない。

第五章「三つ巴(どもえ)の攻防」が特に興味深かった。日本の宣伝は中国人には効果なく失敗だったいうのが通説だが、それなりの影響力はあったようだ。さもなくば広大な占領地の維持は困難だった。他方で、中国やアメリカが日本人捕虜を宣伝に活用したの対して、日本は中国人捕虜を宣伝で利用することはなかった。民族的偏見を助長した「近代アジアのリーダー」という宣伝パラダイムは今日に続く問題である。

<Barak Kushner> 英国ケンブリッジ大アジア・中東研究科准教授。

◆もう1冊

井上祐子著『越境する近代7 戦時グラフ雑誌の宣伝戦』(青弓社)。「太陽」など戦時下のグラフ誌から報道と宣伝の実相を探る。

Welcome to AMES

Cambridge has a long and distinctive tradition in the study of the Middle East and Asia. This Faculty prides itself on exploring these fields through the local languages and encourages students to learn through real world engagement. If you are interested in these world regions and want to discover their languages, cultures, histories, religions, and politics, then this is the home for you. 

Upcoming events

Summer Hebrew Ulpan for University Students

Jul 02, 2017

Faculty of Asian & Middle Eastern Studies

Upcoming events